ゲーム好きキャバ嬢のオタ活日記

社会不適合者ですが毎日幸せです。

「沼男は誰だ」のプレイ後感想

TRPGのシナリオ「沼男は誰だ」についての個人的感想です。

 

シナリオはとても好きでした。長いシナリオですがその全てに意味があると感じます。ごちゃごちゃしていないシンプルなシナリオだったと思います。世界観も現代に近いので難しいことを覚えなくていいです。

 

ゲーム性については個人的に自由度が高いものが好きなので好みと言えませんでしたがシナリオ重視の作品は仕方がないのかなと思います。GMの裁量でも変わってくるのかもれません。

 

総合的には記憶を消したらもっかいやりたいくらいには好きです!

 

ここから先はネタバレありで書いていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある男が沼の側を散歩していました。すると突然のゲリラ豪雨!男の脳天に雷が落ち、不運なことに一瞬にして焼け焦げて絶命してしまいました。その時、2発目の雷が沼に落ち、沼の成分が化学反応を起こして死んだはずの男の体を再構成してしまいました。

 再構成された男の体は、雷に打たれて絶命した男の体と原子レベルで全く同一で、脳の状態すら(雷に打たれる前の)元の男と同じ状態で構築されています。着ていた服や差し歯や手術痕までもです。

 そして雷によって沼から生まれた沼男(スワンプマン)はそのまま死んだはずの男の家に帰り、死んだはずの男が読んでいた本の続きを読み、死んだはずの男のベッドで眠り、翌朝には死んだはずの男の仕事場へ出勤します。

ここまでが沼男の概要です。

このゲームは別に沼男を探す趣旨のシナリオではなく「あなたが沼男の世界を許すかどうか」 をプレイヤー自身が選択するまでのストーリーを描いています。

 

メインキャラクターの"あみ"はかつて死んでしまった本物のあみと全く姿形が同じで記憶もそのままの生物です。人間ですらありません。あみの夫が死んでしまったあみを生き返らせようと研究した末に生まれた存在です。

 

はじめはプレイヤーから見ても化け物のように見える"あみ"ですがストーリーが進むにつれ"あみ"の人間らしい部分を知ることになるでしょう。

 

“あみ”は偽物とはいえ本物と同じ姿形と記憶を保持しているのですから当然夫のことを心から愛しています。

 

そしてプレイヤー自身も自分が本物なのか偽物なのか自分では分かりません。もし自分が死んで、自分と同じ姿形記憶を保持した自分が生まれたらそれは自分と言えるのでしょうか?個人的には自分が死んだ時点でもう自分は死んでいるので生まれたらそいつはじぶんではないのですが、友達や親からみたらそいつは自分なのでしょうね。

 

哲学的なことを考えさせられるとても素晴らしい作品でした!

 

発想力を鍛える 33の思考実験

発想力を鍛える 33の思考実験

  • 作者:北村 良子
  • 発売日: 2018/10/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)